経営コンサルによる教育と学習

経営コンサルなのに、あまり経営をコンサル出来ないため、教育と学習について考えたことをやーやー投稿するBlog

学習能力が高い人はどのような人か

1.学習の定義について

本ブログのテーマである”学習”について、まずはその定義をする必要がある。

定義なしに論ずることは、読者の認識相違による非効率を招く。
それに、特に学習なんて言葉はバズワードで、議論が発散してしまいがちだから。

今後の学習の定義は、以下としよう。何と明快!

学習=”出来ない出来るようにすること”

 

2.学習効率向上のためには、正確な課題設定が必要

 上記の定義に則れば、

学習効率=出来るようになったこと / 要した時間

と定義できる。

そのため、学習効率を高めるためには学習時間を可能な限り、
出来ないことを出来るようにするための努力に使えばいい。

ある種、”学習”の定義上当然なのだが、”自分が出来ないことを具体的に認識する” ことは思いの他に難しい。

逆に、コンサルの仕事でも同様だが、課題(出来ないこと)が明確になり、その対処がタスクにブレークダウンされているならば、その実行に大した困難さはない。

むしろ重要なことは、課題の設定そのものにある。

 

3.課題の設定にはロジカルシンキングによる分析が必要

 例えば、ある生徒が先生に

「英語が出来るようになるにはどうすればいいですか?」と質問したとしよう。

これまでの話しを読めば分かる通り、
この生徒は自分の課題(=出来ないこと)を明確に定められていない。

 

逆に、生徒が

「僕は英語の模試で点数が取れません。なぜなら、文中に出てくる仮定法未来の用法について主熟度が低く正確に文意を汲み取れないためです。特に、仮定法未来の~用法については~~」

と言ってきたら、その生徒は課題の発見は完了していると言える。
(というか、なぜこの生徒は先生に話しかけてきたのか疑問に思うレベルだ。)

その場合、教育者に出来るのは、その課題設定が正しいかの判断だけである。

 

そして、適切に課題を発見するためには、
ロジカルシンキングのうち”要素分解による構造の把握”が必要となる。
(もちろんそれだけでは無いが、要素分解は初手で行うべき基本動作と言える)

英語(Reading)の学習でいえば、粒度の大小を軸とした構造把握が適していると考えられる。(たぶんMECEなはず)

  • 単語レベル
  • 熟語、慣用句レベル
  • 文法レベル
  • 長文読解レベル
  • 1文章を超えた歴史的コンテクストの理解レベル

上記の構造で全体感を把握したうえで、自身の課題がどのレイヤに属するかを分析する。

この分析の部分で誤り、不適切に課題設定をすることで、単語すらままならないのに高度な長文読解の技法を学ぶ受験生が生み出されるのだ。

 

4.分析を行うには定量的データの採取と因果関係を考えよ

上記より、正確な課題を設定のためには、現状把握と分析が必要であることが分かる。

現状の把握は可能な限り定量に行うこと。

定性的なデータも有用ではあるが、分析するならば定量的なデータの方が適している。

特に、学習というすこぶる主感が絡みやすい分野では、
定性的なデータでは分析結果の信頼性が低くなってしまう。

 

では、客観的なデータとは何か。
最も身近なものは”試験”だ。機会があるならまず受けよう。自分の現状を定量的に把握するために。

ただし、社会人のスキルに関して言えば、定量的なデータは取得しにくいため、自分なりに定量的にデータを採取するような工夫が必要である。
(例えば上司からのFB回数やクライアントからの突っ込みの回数等)

 

データが揃えば、あとは因果関係を解き明かすべく分析を行う。

現状の結果が何を原因として生じているかを考える。
因果関係と相関関係の違い等は長くなるので割愛するが、
貴重な時間を割くならば因果関係が明確になり、
原因として特定されたことに対してアクションを起こす方が学習効率が高い。
(これは前述の通り。)

 

5.まとめ

これまでの議論をまとめれば、学習能力が高い人とは、分析能力が高い人であると結論付けることが出来る。

学習能力が高い

=単位時間当たりの獲得能力が高い

=自身の出来ないことを正確に認識できている

=現状を分析し課題を発見する能力が高い

 

ただし、これは自己の学習という観点での結論であるため、まあ、うん。という感じであるが、自己の現状の分析と学習の関係性について理解の一助になれば幸いである。

(少なくとも、時間がもったいないから模試受けたくないとか言っている受験生に届いてほしい。)